従業員5〜20名の会社必見!HP・チラシ作成に使える「持続化補助金 通常枠」の落とし穴と徹底活用法

「ホームページをプロに依頼してリニューアルしたい」「新しい集客チラシを作ってポスティングを行いたい」など、新規顧客の獲得や販路開拓をお考えの小規模事業者様、大変お待たせいたしました。株式会社Result代表取締役、中小企業診断士・認定経営革新等支援機関の佐藤勇樹です。

チラシ・パンフレットやHP制作など、最も身近で使い勝手の良い国の支援策として圧倒的な人気を誇るのが「小規模事業者持続化補助金」です。しかし、実はこの補助金には、公募要領を一読しただけでは決して気が付くことができない、申請却下や不採択に直結する「致命的な落とし穴」がいくつも隠されています。

私は、大塚商会でのIT導入実務キャリアを経て独立し、これまでに融資・補助金による資金調達総額は9億1,431万円(令和5年12月時点。融資を含めると現在は11億円以上)を手掛け、報道番組「ABEMA Prime」にも生出演して補助金申請におけるコンプライアンス(健全化)の重要性を発信してきました。プロの中小企業診断士の視点から言わせていただくと、特に従業員数が5名〜20名前後の成長フェーズにある企業様こそ、この補助金の「対象者の判定ルール」で真っ先につまずく危険性があります。

💡 本記事であなたが得られる成果

今回のブログでは、通常枠の最新補助スペック、従業員5〜20名規模の会社が必ず確認すべき「小規模事業者」の厳格な境界線、チラシとHPの単体申請不可ルールをスマートに突破する「セット申請の具体モデル」、それぞれの申請上限額のカラクリについて、実務者ならではの極秘ノウハウを完全網羅して解説します。

1. 小規模事業者持続化補助金「通常枠」の基本スペック

小規模事業者持続化補助金(通常枠)は、小規模事業者が経営計画を策定した上で行う、地道な販路開拓や業務効率化の取り組みを支援する国の補助金です。最新の公募回に基づき、まずは通常枠の基本スペックと、誰もが驚く「従業員数の境界線」を整理します。

  • 補助額(上限):原則 最大50万円(※インボイス特例により+50万円、または賃金引上げ特例等の満たすべき要件により最大100万円〜200万円まで上限が引き上がります)。
  • 補助率:原則 2/3以内(※賃金引上げ特例を希望する事業者のうち、直近の決算期において営業赤字である事業者は、補助率が 3/4 に優遇されます)。
  • 対象経費:機械装置等費、広報費、ウェブサイト関連費、展示会等出展費、旅費、新商品開発費、借料、委託・外注費が幅広く対象となります。
■ 第20回公募の申請期間(予定スケジュール)
  • 申請受付開始:2026年11月5日(木)から開始されます。
  • 様式4発行依頼締切:2026年12月4日(金)まで(※管轄の商工会・商工会議所への「事業支援計画書」の発行依頼は期日厳守です)。
  • 申請受付締切:2026年12月15日(火)17:00(※電子申請システムでのクリック提出のみ有効)。
  • 事業実施期間:交付決定日から最長で 2028年3月31日(金)までとなります。

⚠️ 従業員5〜20名の会社が最もつまずく「対象外判定」の罠

本補助金における最大の罠は、自社が「小規模事業者」の定義に当てはまるかどうか、という判定ルールです。業種ごとに「常時使用する従業員数」で厳格に区分されています:

  • ① 商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く):常時使用する従業員数が 5人以下 であること。
  • ② サービス業のうち宿泊業・娯楽業:常時使用する従業員数が 20人以下 であること。
  • ③ 製造業その他(建設業・運輸業など):常時使用する従業員数が 20人以下 であること。

一般的な「学習塾」「エステサロン」「小売店」「コンサルティング業」などの商業・サービス業の場合、従業員数が5人を超えていると(例:6名など)、その時点で小規模事業者の枠から外れ、申請対象外となってしまいます。

【実務家が教える、雇用カウントの境界線】
この「常時使用する従業員」の定義は、労働基準法第20条の「あらかじめ解雇の予告を必要とする者」を指します。法人の役員、個人事業主本人、同居の親族従業員、または一定基準以下のパート・アルバイトはカウントから除外されます。
例えば、弊社のクライアントであるアパレル事業所の賃金台帳を見てみましょう。スタッフ(基本給月額274,500円、昇給後は287,500円)は、雇用保険に加入して常時勤務しているため、従業員数「1名」として確実にカウントされます。一方で、週に数時間だけスポットで手伝うような短期パートや、法人の取締役はカウントされません。この判定を誤り、対象外であるにもかかわらず申請を行ってしまうと、審査段階で一発却下されるリスクがあります。自社が本当に対象になるのか、事前に必ず専門の中小企業診断士へご相談いただくことをお勧めします。

2. チラシ・パンフレットは「広報費」として一括で対象に

販路開拓のために作成するチラシ、パンフレット, 商品カタログ, 店舗の看板、店頭用ポスターなどの制作にかかる費用は、すべて「広報費」の区分として対象になります。

さらに、本補助金の極めて実用性の高い点として、チラシをデザイン・印刷する費用だけでなく、「そのチラシをターゲット地域に配布するためのコスト」も広報費に含めることができる点が挙げられます。具体的には、プロのポスティング業者に支払う配布手数料、新聞折込広告代、および顧客リストに向けて郵送やインターネットを介して発送するダイレクトメール(DM)の送料・メール便発送代なども、まとめて2/3の補助支援を受けることができます。

⚠️ 審査落ちを避けるための「チラシ掲載ルール」

「広報費」として認められるためには、作成する媒体が販路開拓(売上向上)に直結する具体的な商品やサービスをアピールするものであることが絶対の条件です。単なる「会社の設立案内パンフレット」や「イメージアップ用のロゴマークを載せただけの会社案内」など、広告宣伝文句や具体的なサービス名、事業者名、連絡先が明記されていないものは、経費として一律で補助対象外と判断されますのでご注意ください。

3. ホームページ(HP)やECサイト制作は「ウェブサイト関連費」に

公式ホームページの新規作成、既存HPの古くなったデザインの刷新、ネットショップ(ECサイト)の新規構築・リニューアル、その他WEBシステムの追加開発や改修、さらには検索上位表示を狙うSEO対策などの外部対策費用は、すべて「ウェブサイト関連費」として対象になります。

プロのWEBデザイナーやコーダーに支払う構築外注費用のほか、自社サイトに掲載して商品をアピールするために撮影する宣材写真の撮影費用や、PR用のプロ仕様動画の制作・編集費用なども、すべてこの「ウェブサイト関連費」にまとめて計上することができます。

しかし、これほど人気の高い「広報費(チラシ)」と「ウェブサイト関連費(HP)」には、公募要領上で極めて厳格に規定されている「単体申請の禁止」という最大のハードルが立ちはだかります。これを知らずに計画を作ってしまうと、そもそも申請すら受け付けてもらえません。その具体的な仕組みと、一発で突破する「セット申請の具体例」について、続いて解説いたします。

4. 知らないと即不採択!「チラシだけ」「HPだけ」の単体申請はNG

結論から申し上げます。持続化補助金において、「チラシの作成(広報費)だけ」または「ホームページの制作(ウェブサイト関連費)だけ」という単体での申請は、一切認められません。

公募要領には、以下のように厳格な禁止ルールが明記されています:

・「広報費のみによる申請はできません。必ず、ほかの経費と一緒に申請してください」
・「ウェブサイト関連費のみによる申請はできません。必ず、ほかの経費と一緒に申請してください」

しかし、これらを賢くセット(組み合わせ)にして、「広報費」と「ウェブサイト関連費」を同時に1つの経営計画の中で申請することは100%認められています。

👗 アパレル・服飾アート製造小売業における「チラシ×WEB」の美しいセット申請モデル

例えば、手作りの温かみがあるオーダーメイド靴や立体衣服を製造・販売するアパレル事業者様をモデルにしてみましょう。
「靴の木型や衣服のドレープ、手袋の複雑な立体パターンを、WEB画面上で3Dビジュアルシミュレーションできる最新の予約・カスタムECサイトを構築する(ウェブサイト関連費)」という計画を立てます。これに連動させて、「その3Dシミュレーションの魅力を地域に伝えるための、QRコード付きの美麗なポスティング用大判チラシを配布する(広報費)」という取り組みをセットにします。
『チラシ(広報費)で地域に驚きを認知させて、WEB(ウェブサイト関連費)に誘導し、WEB上で3Dシミュレーションとカスタム予約を完了させる』という、一貫した販路開拓の販売導線を設計すれば、単体申請不可のルールをスマートにクリアし、かつ審査員が思わず高得点をつけたくなる、極めて論理的で実現可能性の高い事業計画書が完成します。

5. 広報費・ウェブサイト関連費は「それぞれ最大30万円」まで申請可能

セットで申請する場合、それぞれの経費区分には、以下のような「国から支給される補助金(交付申請額)ベースの上限」が課されている点に細心の注意が必要です。

経費区分 もらえる補助金(交付申請額)の上限 実質的な対象経費(支払うお金)の目安
広報費(チラシ・看板等) 最大 30万円(税込)まで 約45万円(税抜)までの支出が対象
ウェブサイト関連費(HP・EC等) 最大 30万円(税込)まで 約45万円(税抜)までの支出が対象

この上限額は「支払う金額の合計」ではなく、「国から戻ってくる補助金額(2/3)」に対する上限です。例えば、45万円(税抜)のホームページ制作を発注した場合、補助率2/3をかけた「30万円」が補助金として国から戻る上限となり、これを超える分は全額自己負担となります。この経費の配分や、補助事業終了後に不備と指摘されない見積書の作成方法など、事前段階での正確な資金計画が非常に重要となります。

6. 専門家が警鐘を鳴らす、交付規程にのみ隠された「1/4の罠」

ここが、本補助金を活用する上で最も重要なポイントです。公募要領の14ページ(ウェブサイト関連費の解説欄)には「ウェブ交付上限30万円」としか目立つ形で書かれていません。しかし、補助金の裏ルールブックである『交付規程』および『実績報告書(別紙3 支出内訳書)』には、以下の極めて厳しい計算制限(通称:1/4ルール)が明記されています:

📄【交付規程 別紙3 注記より抜粋】
「ウェブサイト関連費は、交付すべき補助金の額の確定時に認められる補助金総額の 1/4 が上限(最大 50 万円)。※いいえの場合は実績報告ができません。」

つまり、無事に採択され、最後にお情け(実績報告時)をいただく段階において、ホームページに使える補助金は「もらえる補助金確定総額の4分の1(25%)以下」にカットされる、という強力なルールが交付規程によって機能しています。

これにより、通常枠(上限50万円)において、他の経費(機械等)を使わず「チラシ(広報費)」と「HP制作(ウェブサイト関連費)」の2つの組み合わせだけで申請する場合、もらえる補助金を最大化するための経費バランスは自動的に以下の「1点」に絞られます。

💡【補助金40万円を最大受給するための黄金バランス(補助率2/3)】
  • 広告費(チラシなど):申請経費 450,000円 ➔ もらえる補助金:300,000円(広報費上限)
  • HP制作費(ウェブ):申請経費 150,000円 ➔ もらえる補助金:100,000円
  • 合計:申請経費 600,000円 ➔ もらえる補助金総額:400,000円

この配分比率に設計すると、ウェブサイト関連費の補助金(10万円)は、全体の補助金総額(40万円)のちょうど1/4(25%)となり、交付規程の1/4ルールをギリギリでクリアして満額受給することができます。

もし、「ホームページに経費30万円(補助金20万円)、チラシに経費10万円(補助金6.6万円)の計40万円(補助金総額26.6万円)で申請」というような経費バランスで進めてしまうと、事後の審査で「ウェブ補助金は全体の1/4(6.6万円)までしか出せません」と無情に減額カットされ、ホームページ制作費の大半が自己負担になってしまうため極めて危険です。この裏ルールを事前に考慮した計画策定がプロの介在意義となります。

7. 実務で絶対に守るべき!持続化補助金の3大重要ルール

持続化補助金を実際に活用する際、一歩間違えると1円もお金が出なくなる実務上の重要なルールが3つあります。

  • ① 事前着手は100%補助対象外
    補助金の対象となる発注・契約・支払いは、事務局から「交付決定通知書」が届いた日付(交付決定日)以降に発生したものに限られます。採択発表があっただけ(採択通知書の受領段階)で業者と契約や発注を行ってしまうと、1円も補助金が出なくなりますので、必ず交付決定を待ってから事業に着手してください。
  • ② 事業実施期間内の「公開・配布完了」が必須
    最長2028年3月31日までの事業実施期間内に、ホームページは実際にネット上に「公開(運用)」し、チラシは「実際にすべて配布完了(ポスティングや折込 of 完了)」していなければなりません。期間内に未公開のHPや、倉庫に残っている未配布のチラシは、実績報告の検査時に補助対象外として容赦なく削られます。
  • ③ FC(フランチャイズ)本部との取引制限
    フランチャイズ契約に伴う加盟金、保証金、ロイヤリティ、また「FC本部が作製する広告物の購入」は、一律で補助対象外となります。FC加盟店様が独自に地元のデザイン会社等に依頼して作成するオリジナルチラシ等は対象になる可能性がありますが、本部への支払いは補助対象にならない点に注意してください。

持続化補助金(通常枠)に関するよくある質問(FAQ)

Q1. 常勤の従業員がちょうど5名の塾を経営しているのですが、通常枠の対象になりますか?
A1. はい、対象になります。
「常時使用する従業員」が「5名以下」であれば、商業・サービス業であっても申請可能です。ただし、役員や短期パート等を除き、社会保険等に加入して常時フルタイムで勤務している従業員がすでに6名に達している場合は対象外となります。雇用形態や賃金台帳(事例のように雇用カウントの除外・算入ルールなど)を精査し、1名でもカウントを誤ると却下されるため、事前に弊社の初回無料相談で正確な診断をされることをお勧めします。
Q2. ホームページ(ウェブサイト関連費)だけで補助上限50万円を申請することはできますか?
A2. いいえ、できません。
ウェブサイト関連費は、補助金交付申請額の上限が「30万円」に設定されています。さらに、単体での申請は認められていないため、必ず「広報費(チラシやポスター等)」や「機械装置等費」など、ウェブサイト関連費以外の別の経費区分とセットで申請を組み立てる必要があります。
Q3. 交付決定(採択)を受ける前に、チラシの印刷会社に発注・支払いをしてしまいました。これは対象になりますか?
A3. いいえ、1円も補助されません。
持続化補助金は、「交付決定」の通知を受け取った【後】に契約・発注・支払いを行った経費のみが対象となります。事前着手はいかなる理由があっても一切認められませんので、必ず決定通知を待ってから実務をスタートさせてください。

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関連情報・出典参考リンク集

本記事で解説した「小規模事業者持続化補助金(通常枠)」に関する商工会議所事務局公式ポータルや、佐藤勇樹の出演動画などの一次ソースリンク集です。

■ 小規模事業者持続化補助金 事務局公式ポータルサイト
■ 執筆・監修者SNSおよび生出演メディア

最終更新日:2026年7月27日 | 執筆・監修:株式会社Result 代表取締役 佐藤勇樹(中小企業診断士・認定経営革新等支援機関、公式X:@yuki_resultceo

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この記事を書いた人

佐藤勇樹のアバター 佐藤勇樹 中小企業診断士

千葉商科大学出身で、出身大学初の「中小企業診断士」の資格を取得。
大学卒業後、大塚商会に就職し3年働いたのち融資・補助金コンサルタントとして独立。
独立3年での融資・補助金の調達総額は9億1,431万円(令和5年12月時点)。
現在は中小企業診断士として、引き続き補助金コンサルタントとして補助金の申請・代行業務を中心にしつつ、自身の補助金コンサルタントのスキルを体系化した「補助金コンサルタント養成講座」を主催し、後進の士業の育成を行っている。
著書:中小企業診断士17人の合格術&キャリアプラン
2026年6月、ABEMAPrime#アベプラに補助金コンサルタントとして出演

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